湯上りの至福、銭湯の坪庭

湯上りの至福、銭湯の坪庭

銭湯には、坪庭がある。
といっても、東京近郊以外の人には、ピンとこないかもしてれない。
事実、北海道のような雪の多く降る地域では、ほとんど坪庭など存在しないといっていいだろう。
何も、北海道に限らず、東京近郊以外の地域では、あまり見かけることができないのだ。
もっとも、最近立て替えられた銭湯の場合は、坪庭らしいものが見受けられるが、それらは露天風呂とセットになって設えてあるケースが多い。

前置きが長くなったが、この坪庭もまた東京型銭湯の特徴のひとつである。
それでは、その坪庭がどんなものか、紹介してみよう。

まず、使用されている庭石は、多くの場合、火山が噴火した際に流れ出た溶岩が冷えて固まった火山岩を多用している。
あの黒くて、ごつごつした岩だ。実はこの火山岩は、他の庭石に比べると、安価である。

さらにあのゴツゴツとした形状が、ブロックのように積み上げたり、組み合わせるのに適している。
加えて、ボリューム感も出る。中には築山で富士山を象った銭湯もあった。

昭和30年代にはユニークな銭湯が流行していて、浴室すべてに天井近くまでこの火山岩が積まれ、さじずめその空間が露天風呂のようになっているものもあった。

庭石の横には、池があり、鯉や金魚が泳いでいる。
見た目にも麗しく涼しげであるが、他の意味もあるという。
東京の銭湯に携わる人の多くが、北陸出身で、鯉好きな人が多いから鯉を泳がせているとか。
「お客コイコイ」の縁起かつぎで…などなど、風情の中にも遊びの要素が含まれているのだ。

風呂上がり…。ほてった体を冷ますには、そんな東京型銭湯に多くみられる坪庭を眺め、ボーッとするのが、いちばんいい。
風情ある景色を眺めながら、ボンヤリ…なんてのも、情緒があって、いいのではないか。
これぞ、銭湯の醍醐味である。

社・日本銭湯文化協会理事・町田忍 著 「銭湯の謎」より

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